青岩 〜あおいわ〜

 ある国の山の中。森々しんしんとした森のてっぺんの丘の上。青岩はそこにひっそりとあります。
 陽のひかりをあびて、水のきらめきをうつして、ときには青く、ときには蒼くかがやくように、ただそこにあります。
 青岩は、水の中にあります。泉とも池ともつかない、んだ水のなかに、ひっそりとしずかに…。
 見上げるほど大きくもなく、深い水に沈むほど小さくもなく…。
 青岩のたたずむ水には、生き物は住んでいないようです。
 けれどそれは、毒があるわけではありません。とてもおいしくて、からだの疲れや、怪我や病気が流れ出てゆくようです。
 誰をよせつけるでもなくただしずかに、青岩はそこにあります。
 いつからそこにあるのでしょう?
 どうしてそこにあるのでしょう?
 それはだれにも分かりません。


 青岩にまつわるお話は、たくさんあります。
 その中でもよく知られた、ふたつの話をお話しましょう。

  〜うさぎとかえる
  〜鷹と渡り鳥














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