ヒトツマエ   ヒトツサキ



沢山泣いて 泣きたいだけ泣いて
そしたら帰ってこれるかな?

沢山失くしてしまった
毎日少しずつ いろんなところに置いてきた
そうして失くなってしまった

僕の心
強いのも、弱いのも

見つけられないんだ
どっち行ったらいいのか どっち向いたらいいのか

泣いて見つかるんなら 僕は泣きたい

泣いて見つからないから 僕は泣かない

失くしたまま ただ、もがく。
もがいて、あがいて、這い上がる。
空っぽの心も抱え込んで 連れて行く…

そんな強さが欲しい
僕はそんなに強くない とても弱いから

這い上がる途中でまた落ちて、上を見上げてうらやむんだ。

『そこに行きたい』   って…

繰り返すのはそんな日々
泣かないことだけを 心に誓う

1113



沢山の作り笑いの下で こんなにも泣いている
沢山の飾り笑顔の下で こんなにも悩んでいる
沈んでいる
苦しんでいる
嘆いている

願っている…

信じたくて 怖くて 逃げたくて

今日も僕は笑う
君に言いたいことは全部心の奥に隠して
ただ黙って待ってる

…うんと笑って

0916



僕等は心を閉ざした存在 他人に多くを語る事を嫌ってる
それはきっと 不用意に踏み込まれたくないから
不器用にしか愛を 言葉を伝えられず
本音を隠した上澄みばかりを毎日吐いている

なんでもない瞬間の ふとした言葉を 何気ないそれをもしも
信じられると思ったのなら…
それはきっと 本当の意味での始まり
伝えよう? あなたに愛を
大好きだっていっぱい言おう

さァ もう遠慮はしないよ?
僕は今から キミに沢山好きだって言うよ
行けるとこまで一緒に行こう
僕らが笑っていられる限り

ずっと近くにいたはずなのに
今この瞬間に 僕等は迎えた
本当の始まりを…!

0723



僕はあなたに何を与えられるのだろう?

傲(おご)りとか自惚(うぬぼ)れじゃない あなた自身に届いた本当のなにか

それを取り出して 僕に見せてはもらえないだろうか?

建前とか飾りじゃない あなたの本音(ことば)で

0718



流した涙は想いの強さ

こらえた涙は想いの深さ

捨てられない痛みは捨てなければいい
忘れられない想いは覚えていればいい

ただ抱えていればいい

0604



私とあなたが会ってどのくらい経ったでしょうか?
私があなたを認識してどのくらい経ったでしょうか?
私とあなたはどのくらいの時間を共有したでしょうか?
私はあなたにどれだけの幸せを与えられたでしょうか?
私はあなたにどれだけの世話をかけたでしょうか?
私はあなたにとってどんな存在だったのでしょう?

あなたが私の中でどれほどの存在かあなたは知っていましたか?
今私がどれだけの痛みを感じているか知っていますか?
もう二度とあなたは私を認識(わかっ)てくれないのですか?
もう二度と私はあなたと会話(はな)せないのですか?

私はまだ何も見せていないよ? 何も教わって居ないよ?
あなたは私を沢山見てきたのかもしれません
でも私を本当に見せるのは きっとこれから…

私はまだまだあなたに居て欲しい
まだまだあなたに見て欲しい 聞いて欲しい
私のこれからのあなたより長いはずの未来を
まだまだあなたに教えて欲しい
私の知らない沢山のことを どうでもよいことを
あなたがまだ居るはずの 長くて短いしばしの未来で

あなたもまだこれからなのではないですか?
不本意なのでしょう? 抗っているのでしょう?
どうしようもないのですか?


どうかまた、会えますように。
ただ、強く 願う。

0521



オレは偉くも強くもねェ
オレに出来ることは 「ただ生きる」こと

あと少しに追いつかねェのは
頑張ってるフリして 手ェ抜いてるからさ

周りがどんどん離れてく中で
せめてあんたはオレのこと見ててくれるかい?

0501



あんなにも忘れているなんて…

思い出すのはいつも 高い空と 近い地面
今ならあの頃より空が近いのかな? 地面が遠いのかな?

どんなに願っても届かない 叶わない

望み

あの道はここに出るんで良かったんだっけ?
あの木はここにあったんだっけ?

名前も知らないままのあの紅い花
あれから見てないね
なんて名前なの?

境界は今より曖昧だったね
それでいて今より ハッキリどこまであったのかがよく分かったよね

錆付いたジャングルジム
つたに覆われて
今もあったなら 登るのは危ないかな?
うんていはもう壊れかけてたよね

懐かしいあの坂道は ここに埋まってるのかな?

降り注ぐ光が――木漏れ日が 開けた今よりまぶしく感じる…
夏のあの空を 忘れない…忘れられない

きりのない『想い』はただ降り積もり 積み重なり
見えない幻想を抱き 在ったものを想像にすり替えていく

本物はもう 遠い昔
薄れていく記憶にはきっと勝てない
すり替えられた偽物を本物だと思いながら

それでも望み続ける

『在ること』が当たり前だったのだから…

0426



二度と云えない未来を描いては独り 淋しさのあいだでただ涙する

変わらない道幅の端と端に立って ただずっと歩いていく

違う方へと向いてくばかりの僕らが ナゼ一緒にいる瞬間(トキ)があるんだろうね

たくさんの中の点と点にすぎない僕らが 線になるコトってあるのかな

このまま続いてゆくのだとしたら その先はどうなっているんだろうね

0321



「好きだ」と云えない歌ばかり
薄っぺらい「愛の歌」

ただ君に思いを伝えるだけのことが どうしてこんなに難しいのだろうね

0229



話さなくても繋がってる感覚
見えなくてもそこにいる実感
いつまでもあると思う希望
いつでもあるという安心

頼り過ぎだよ

それはあまりにも細い
しっかりにっぎってなくっちゃ
しっかり手繰ってなくっちゃ

いつか切れるよ

切れてからじゃ遅いよ?
切れる前に気づいて

もっとたくさん話そう?
もっといっぱい共有しよう?

いつまでも在るように…

0228



いつも同じ音を垂れ流しているね

それは誰かに拾って欲しいのかい?
誰かが拾ってくれると思ってるのかい?

どうしたところで 他人(ひと)は何もしてくれやしないよ
痛くたって 己で動かなきゃ、考えなきゃ どうにもなりゃしないよ

叫ぶだけならいくらでも叫びなよ
いつか己で答えを見つけるならば

0210



そう。それは毒だ。
嫌な臭い… まとわりつく不快感
それに慣れることを とても恐れているね
遠ざかりたいと願っているね

アァ。でも良いじゃないか。
俺が早く死ねるための毒だと思えば
甘んじて浸かっていてやるとするよ…

0210

ヒトツマエ   ヒトツサキ













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