森怪幻廊 〜 シャル・オー・ネイロス 〜
それは森の精霊の戯れな手招き。
そばに木や斜面やがあるような、見通しの悪い道をくねくねと進んでいると、突如、枝や幹が道を塞いでいる事があります。
強行突破しようとしても、それはどんどん程度を増してゆくので、もし、あなたが乗り物に乗っていたとしたら、あきらめて歩いて進みましょう。
枝葉をかき分けて進むと、木々の間に板の通路のような道が現れますから、せっかくなのでそこを進むといいでしょう。
通路のような、橋のようなその道は、ときおり部屋のように区切られています。
道の左右や、それぞれの部屋には、鼻と口しかないブタなどの変な生き物や、髑髏に似た水晶のかたまりや、桃色マーブルの肌の唇をかむ禿頭の生首、壁には風景を切り取ったような絵ではない何かや、何が描いてあるのか理解に苦しむ絵など、いろんな『生き物』や『作品』が飾られています。
それらには触れることができます。動かすと不思議なことに、一つの例外もなくそれらは、箱状に形を変えます。
その道を全て抜け切ると森からは無事に出られます。
森の中の不思議なものが見たければ、引き返すこともできます。
突如現れるこの奇怪な森は、決して危険なことはありません。
だってそこは、森の精霊の美術館。
彼らは、自分達の作ったものを誰かにみてもらいたくて、こうしてときおり怪幻廊に誘い込むのです。